糀の力と、時が育む味わい。昔ながらの味噌づくりに込めた想い。
茨城県結城市で、昔ながらの味噌づくりを続ける「秋葉糀味噌醸造株式会社」さん。
お米と大豆、塩を使い、自然の環境の中でじっくりと時間をかけて熟成させる味噌づくりを大切にしています。
伝統の製法を守り、香りと旨みを丁寧に育てた味噌は、毎日の食卓に寄り添う味わいです。
今回は、秋葉糀味噌醸造株式会社の秋葉さんに、味噌づくりへのこだわりや熟成味噌のおいしさ、そしてご家庭での楽しみ方についてお話を伺いました。
味噌づくりを、もっと身近なものに。
日本の食卓に古くから親しまれてきた味噌。
秋葉糀味噌醸造さんでは、お米・大豆・塩を使い、昔ながらの味噌づくりを続けています。
そんな秋葉さんに、味噌づくりで大切にしていることを伺うと、少し意外な答えが返ってきました。
「実は、皆さんがご自宅でつくる味噌が、一番おいしいと思っているんです。」
味噌づくりと聞くと、難しそう、手間がかかりそうと感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、秋葉さんは、もっと気軽に味噌づくりを楽しんでほしいと話します。
「味噌づくりって難しそうに見えるんですけど、昔やった粘土細工みたいな感覚で楽しみながら作ってほしいです。ただ、お味噌を作る時に、塩の割合はきちんと守っていただきたいですね。」
秋葉さんが何より願っているのは、ご家庭でも味噌づくりを楽しんでもらうこと。
お子さんと一緒に味噌を仕込み、ひと夏かけて出来上がりを待つ。
家族で一緒に味噌づくりに挑戦する時間も、きっと素敵な思い出になるのではないでしょうか。
味噌をつくって販売するだけでなく、つくる楽しさも伝えたい。
その言葉からは、味噌という日本の食文化そのものを大切にされている秋葉さんの想いが伝わってきました。
結城の地にちなんだ「つむぎみそ」
秋葉糀味噌醸造さんが手がける「つむぎみそ」。
その名前には、地元・結城市とのつながりが込められています。
「最初に『つむぎみそ』と聞くと、名前から麦味噌と勘違いされる方が多いのですが、実は結城市を代表する伝統工芸品『結城紬』からお名前をいただきました。」
そんな「つむぎみそ」のこだわりは、自然の環境の中でじっくりと時間をかけて熟成させること。
米糀と大豆、塩を使って仕込んだ味噌を、最低でも半年、長いものでは2年から3年ほど寝かせていきます。
「糀と大豆の割合や塩の量を考えて仕込んで、自然の環境の中で長期熟成させています。時間をかけることで、味や香りを引き出していきます。」
急がず、自然の力に任せながら、じっくりとおいしさを育てていく。
時間と手間をかけて味噌と向き合う姿勢に、秋葉糀味噌醸造さんのこだわりが感じられます。
また、お客様からは「他の味噌と違っておいしかったよ」という嬉しいお声も届いているそうです。
そんなお客様の言葉も、秋葉さんにとって味噌づくりを続ける喜びのひとつなのかもしれません。
熟成によって変わる、味噌の色と味わい
秋葉さんが教えてくださったのは、味噌の熟成による色の変化について。
「味噌って、仕込んだときは白っぽいんです。それが半年、1年、2年、3年と熟成していくうちに、オレンジ色や赤色、茶色、黒っぽい色へと変わっていくものが多いんですよ。」
ただし、色の変化は熟成期間だけでなく、使う大豆の種類によっても異なるそうです。
実際に秋葉さんが青大豆を使って味噌を仕込んだ際には、約1年の熟成で黒っぽい色になったものの、お味噌汁にすると意外にも薄い色になったのだとか。
「味噌そのものは黒っぽいのに、お味噌汁にすると色が薄いんです。面白いですよね。」
長く熟成させるほど色が濃くなると思っていても、使う材料によって違った変化が生まれる。
そんな奥深さも、味噌づくりの面白さのひとつです。
見た目の色だけでは分からない、味噌それぞれの個性。
熟成によって変化する色や味わいを知ると、いつものお味噌汁も少し違った視点で楽しめるかもしれません。
秋葉さん直伝、味噌のおいしい楽しみ方
せっかくのこだわりの味噌。
ご家庭でも、できるだけおいしく味わいたいところです。
秋葉さんにおすすめの食べ方を伺うと、まず教えていただいたのが、毎日の食卓に欠かせない「お味噌汁」のつくり方でした。
「うちの味噌は、じっくり熟成させているので、味わいが深いんです。いつもより少し味噌の量を減らしても、おいしく食べてもらえると思いますよ。」
秋葉さんがおすすめする分量の目安は、水1リットルに対して味噌80gほど。
煮干しなどを使ってご自身で出汁をとる場合は、そのまま使っていただいてよいそうですが、市販の顆粒出汁を使う場合には、普段よりも1~2gほど少なめにするのがおすすめとのこと。
そうすることで、味噌そのものの深い味わいを、より楽しむことができるそうです。
また、2年から3年ほど熟成させた味噌は、豚汁や、しじみ・あさりなどの貝類、魚のあら汁にもおすすめです。
そして、秋葉さんが教えてくださったのが、お味噌汁をおいしく仕上げるための大切なポイント。
「具材を煮たら、一度火を止めてから味噌を溶いてあげてください。
ひと煮立ちする前に火を止めると、すごく香りのいいお味噌汁になりますよ。」
ほんの少しの工夫ですが、味噌の香りや味わいを楽しむための大切なひと手間です。
塩こうじと味噌でつくる、絶品オリジナル味噌漬け
そして、もうひとつ秋葉さんが教えてくださったのが、塩こうじと味噌を使ったオリジナルの味噌漬けです。
秋葉糀味噌醸造さんで取り扱っている糀漬けの素「さごはち」と味噌を混ぜ合わせることで、お肉や魚をおいしく楽しめる味噌だれができるのだそうです。
「さごはちとお味噌を混ぜて、ラップの上に薄く塗ってあげるんです。そこにロース肉をのせて包み、冷蔵庫で一晩置いてから焼くと、高級なロースステーキみたいにおいしくなるんですよ。」
手頃な価格のお肉でも、ひと手間加えることで、いつもとは違った味わいに。
もちろん、お肉だけでなく魚にもおすすめとのこと。
毎日のお味噌汁から、ちょっと特別な日の料理まで。
味噌の楽しみ方は、思っている以上に幅広いのかもしれません。
味噌を食べる楽しさも、つくる楽しさも。
最後に、まだ秋葉糀味噌醸造さんの商品を食べたことがない方へ、メッセージをいただきました。
「ぜひ一度、私たちの味噌を味わっていただきたいですね。
そして、ご家庭でも味噌づくりに挑戦してもらえたらうれしいです。」
味噌をつくって届けるだけでなく、味噌づくりの楽しさも多くの人に知ってほしい。
インタビューを通して感じられたのは、そんな秋葉さんの味噌づくりへのまっすぐな想いでした。
自然の環境の中でじっくりと熟成させ、時間をかけて育まれる「つむぎみそ」。
まずは毎日の食卓から、その味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。
こんな人におすすめ
・昔ながらの製法でじっくり熟成された味噌を味わいたい方
・毎日のお味噌汁や料理を、もっとおいしく楽しみたい方
・味噌づくりや、日本の伝統的な食文化に興味がある方